SAN JOSE通信Vol.22

 

この一週間は、ここに来て一番悩み・葛藤した日々でした。韓国という国について考え続けていたせいで、非常に精神的に疲れたのです。先日韓国のお友達宅に招かれて、おしゃべり出来たのが嬉しく、こうなったら韓国のことをもっと知ろうと思いweb上で色々検索してみたのです。せっかく出来たお友達なのに、彼女達の国にも行った事が無ければ、習慣・生活様式など何も知らない。お互いをより理解しあうために、韓国のことを知りたくなったのです。でもそこにあるのは、悲しいまでの韓国への批判ばかり。確かに日本と韓国の間には歴史的事件があり、わだかまりもあります。今回のワールドカップをめぐっても、多くの問題を抱えていたのは先刻承知です。でもでも・・・。

最初に調べたのがYahooでした。そこの掲示板は常識では考えられないほど、韓国人へのひどい中傷が書き込まれていました。「こんなの右翼に決まっている!」と思いつつも、悲しい現実でした。全て読み、反論でも書こうか・・と思ったところ、日本人の方の韓国に関するHPを見つけました。この方は日韓の交流会を自主的に行うなどして、両国の親善をはかっていらっしゃいました。随分と気が楽になり、その気持ちをその方のBBSに書き込ませていただきました。以下その方からのお返事です。

 

「ESLで韓国のお友達が出来たのですね。韓国人はとてもフレンドリ−な人が多いので、すぐに仲良くなれたのでしょうね。ichihoさんの言う通り、YahooのBBSでは、韓国人に対する色々な意見が取り交わされていますね。私もあれを読むと、いつも頭に来ます。ただ韓国に限らず、国が違えば文化も習慣も違うのですから、日本人にとっては理解出来ない事とかビックリする事があるのも本当です。私も初めは戸惑う事もいっぱいありましたから...外国の友達と付き合う時には、良い面ばかりでなく、悪い面もちゃんと真っ直ぐ受け止め、その上で良いお付き合いをして下さいね。私は運良く、いい韓国人の友達ばかりなので、とてもいい関係でお付き合いさせてもらってます。日本と韓国には、なかなか解決出来ない歴史的問題がありますが、一個人同士の交流が今後もっとよい関係を作っていくことを願って交流会を開いています。ichihoさんも韓国のお友達が出来たのでしたら、是非韓国の事を色々と勉強して見て下さい。そして歴史的問題についても話し合ってみて下さい。また韓国語も是非勉強してみて下さい。その国を知るには、まず言葉です。韓国語は日本語と文法もほぼ同じですし、漢字から来た言葉も沢山あります。言葉を学ぶ事で、韓国の文化や習慣も勉強出来ますから... 異国での生活は色々と戸惑いもあるでしょうが、とってもよい経験になると思いますので、楽しんで下さいね。」

 

以上です。私は、この方のお返事がとても心に響きました。とくに「国が違えば文化も習慣も違うのですから、日本人にとっては理解出来ない事とかビックリする事があるのも本当です。外国の友達と付き合う時には、いい面ばかりでなく、悪い面もちゃんと真っ直ぐ受け止め、その上でいいお付き合いをして下さいね。」というところ。それから「一個人同士の交流が今後もっとよい関係を作っていく」には心から同感しました。そしてやはり「その国を知るには、まず言葉です。」というところ、痛感しました。

 

月曜日が最後のESLでした。その日の朝に私はこの方のお返事を読んだばかりで、かなり頭は韓国一色でした。最後の授業ということで、後半は先生お手製のチーズケーキを食べながらの雑談(と言っても先生が用意していた、色々な質問に生徒が答えながらというもの)。こういう日に限って私への質問が「最近はまっていることは何か?」でした。今まさにはまっていたのがweb検索だったので、そう答えると「いちほはwebでどういうことを調べたりするの?」と聞かれ、正直な私は「最近は韓国のお友達が出来たので、韓国のことを調べていた」と答えてしまいました。案の定「韓国の何が分かった?」と聞かれました。どうしようかと迷っているうちにJae Younが「Food!」というので、「そうそう」「キムチねー」なんていってごまかしたけれども「他には?」と先生が言うので、つい「韓国と日本の間には歴史的な問題があり、日本人の間でも韓国に関しては賛否両論です」と言ってしまったのです。言ってからは気持ちがくらーくなってしまいました。Jae Younは「韓国でも同じです」と言う。この韓国人のお友達が好きだから、韓国と日本の歴史的問題は触れたくなかった。私の英語が堪能で言いたいことが言えるのであれば、いつでも積極的に話し合えたと思う。でも今の私ではそこまでは出来ない。誤解が生じるのが歴然だし、こんな繊細な問題は話したくなかった。先生は日本と韓国の間にかつて歴史的事件があったことさえ知らないので、私の口からそれに関することを話させました。でもさほど重要と思わなかったのか、途中で次の話題に移ろうとしました。耐え切れず、私は先生の言葉を止めて「でも私はこの韓国のお友達が大好きだし、大切に思っています。」と言いのけました。この時不覚にも目には涙が一杯で、こぼさないようにするのが大変でした。目をぱちぱちしていたからこぼれませんでしたが、自分でもなんで涙が出てきたのか分かりません。伝わらない悔しさ、英語が出来ない情けなさではなかったです。自分でも理解できません。もしかしたら、あまりにも韓国について考えすぎていたからかもしれません。

翌日はClaraの家に招かれていました。Albertの4歳のお誕生日会です。メニューは何と冷やしそば!「これは韓国スタイルなの?」と聞くと、初めて作ったとのこと。後はチキンのオーブン焼きやおいなりさん・激辛野菜。おいなりさんは韓国でもあるらしい。激辛野菜はキムチの一種なのだけれど、辛いのが大好きな私も、一瞬火を噴きました。「辛い辛い」と水をがぶがぶ飲んでいたら、Jae Younが涼しい顔をして「こんなの全然平気よー」という。やっぱり韓国人にとっては、そうなんだなーと妙に納得。食事のツールは箸でした。でも金属製。これはカチャカチャ鳴らすのはいけないそうです。後から知ったのですけれどね。じゃあ、ズルズル音をたててそばをすすっていた私はいけなかったのだろうか?と疑問が・・・。反対に、Claraが立てひざしながら食事していたのはいいのか?いくつも疑問がわきましたが、それは追々聞いていこう。

BIONICLE

さて、プレゼントは今流行の(日本にもあるのかしら?)LEGO社のBIONICLE。旦は3つのBIONICLEを合体させて、大きな物を作り上げるのがお気に入り。それを見たAlbertが以前から欲しがっていたので、Jae Younと相談して1個ずつプレゼントしました。ESLも終わり、この誕生日を最後にもう会えないかと懸念していましたが、Claraが「いちほはキムチ好きでしょ。だからキムチの作り方教えてあげるよ。また電話で日にちを決めようね!」と言ってくれて、電話番号に続いてメール交換も出来ました。

↑三つ合体BIONICLE by旦

それにしても、韓国人は日本の映画やテレビにとっても詳しいです。Claraが「日本の映画で、ラストシーンに女優が雪の中で「お元気ですかー」と叫ぶ映画を知っている?私はすごい感動したのよーーー」と言った。「うーん?」と首をかしげる私を置いてどこかに行ったなーと思ったら、「今主人に電話してタイトルを聞いてきたの“LOVE LETTER”だよ」と。でも私は分からなかったので、後で調べたら中山美穂さんの映画だったのですね。

 

さかのぼって、日曜日は父の日でしたね。あいにくパパは(前日のゴルフ参加がたたったのか)一日中書斎に引きこもって仕事。子供達が邪魔するので、二人連れてお出かけすることにしました。◎TARGETという、行ったことはないけれども、噂には聞いていたお店などを転々としてきました。この◎TARGETは日本でいうダイクマっぽいお店なのですが、女心をくすぐるキッチン雑貨が置いてあり、今度は一人でゆっくり見たいと思いました。そこで、いくら大型食洗機がついていても、やっぱりちょっと食器を洗ったときに置いておくところが欲しいなと思っていたので、食器洗い上げ棚(?)を買いました。しかし、この2・3日洗い上げられるのは、言に何かを食べさせられたTOY恐竜たち・・・。それから、こんな→恐竜の飴を買わされました。おいしくない、とすぐに食べるのをやめてしまった二人でしたが、見た目に感心したので写真だけアップします。

 

昔の私のA型性格丸出しの、(勝手に)散々悩み苦しんだ一週間でしたが、今日気分転換に久しぶりに子供達と図書館に行ってきました。そこには、数は少ないのですが日本書のコーナーもあります。しかも置いてある物は、日本にいたら絶対に買ったり読んだりしないであろうものばかり・・・。でも今日はたくさん借りてしまいました。何だか急に日本の本が読みたくなったのです。何でもいいから日本の物を!という気分でした。子供達は絵本をたくさん借りてきました。私は帰宅早々1冊を一気に読破。想像以上に、これは大きな気分転換でした。異国・異国・異国・・・・思った以上に自分が頑張りすぎて、勝手にストレスを感じていたのがよく分かりました。そんなつもりはなかったのに、ここにいる間にたくさん経験を積もうと必要以上に自分を追い詰めていた気がします。この一週間、色々考えすぎてちょっと危うい情緒だったのですが、一気に浮上しました。何もかも完璧なんてありえない、今の環境・状態で出来ることだけすればいい。出来なかったらそれでもいい!まずは家族!最近上の空の私を気遣って、旦は「ママお勉強してていいよ」と言うし、言は「ママチューしてあげる」(彼は決して自分からそんな事私には言わない)という日々でした。今日は子供達の散髪もしてさっぱり。さて気分一新がんばろー!

いちほ(06/20/02)

 

PS,今日図書館で本を借りようとしたら、何と貸し出しが機械化されているではないの!「使い方が分からないから説明してください」と女性事務員にすがりつきました。一回に25冊借りていいだけに、今回はかなり欲張って20冊くらい借りた私たちには、この機械化はかえって面倒でした。結局1冊ずつ自分でスキャンするんだもの・・・。これは事務局側の人件費削減だろうなー。とはいえ、この図書館はボランティアで成り立っているのでしたっけ・・・。

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