SAN JOSE通信Vol.67
■■■Road To MOMS’ NIGHT OUT■■■ 参加呼びかけのお知らせを受け取ったのは、ひと月ほど前。そのお知らせには「This is an adult-only
event.」と、ご丁寧に下線付きの太文字で記されていました。それを読んでマズ頭をよぎったのが、「その日お父さんは出張で不在」だった・・・。 そこから子供達のシッター探しで、すったもんだ(この辺りのいきさつは、LESS THAN通信5/20の方に)の数日。 何とかLilyに預かってもらう事が決まり、RSVPの期限ギリギリに参加の返事をすることが出来ました。 ■■■Situations on the day■■■ 早めに子供達を風呂に入れ、夕ごはんとケーキを持ってLily宅へ。Williamがスイミングスールから戻ってくるのは5時50分頃。私たちがLilyの家の前に車を止めた時は、すでに家の前で手を振って待っていてくれていました。持ってきた物をザッと説明して、一目散にレストランへ。 6時を少し過ぎたところでレストラン到着。入り口でおしゃべりしている面々に目を走らせる。クラスのほとんどのMomが集合と思いきや、集まったのはMiss Sanfilippoと主力メンバー7人と誰のMomか分からない(失礼な私)チャイニーズ2人、そして私。 相当場違いな感じの私。 クラスのMom大集合のPartyだな・・・と想像していたのに、何だ、なんだ、少人数のお食事会だぞ。 ちょっと緊張する。。。 テーブルの準備が出来たので、奥の長テーブルに落ち着く。で、どういう訳か、長テーブルの中央にMiss Sanfilippoと向かい合う席に座っている私(この話を聞いてお父さんの大ウケ>シツレイな)。なんでこうなったのか・・・更に左横にはクラスマザー。それを囲む様に主力メンバー。逃げも隠れも出来ないではないか(そんなつもりはないけれど)。 最初にドリンク注文。コークが多い中、アイスティーを頼む。Miss Sanfilippoもアイスティーを注文。 何故か安心する私。 その間話したことといえば・・・ 学校の財政難を救う為に自分がやったコトとか ○○先生は、かつて□□の学校にいて、今は▲▲にいるとか(誰のことやらサッパリ分からん) 先日行われた、資金集めが目的の■■ミドルスクールの行事はいただけなかったとか 学校運営のココが問題ありだから、どこそこにペーパーを提出すべきだとか・・・・・・etc. 詳しいお母さんは、色んな数値を良く知っていて白熱して語る。皆さんの熱心さには驚きと共に、頭が下がる。 もう顔を合わせた時から、Nonstop talking状態。誰も人に話しを振ったりなんてしない、我先にと弾丸の様に話す。人の話にカブルカブル(^^;) Miss SanfilippoにカブラレたMomは「プッリ〜〜ズ!!」と更に遮ったり・・・ おかげで私は、Nonstop listening状態だった(^^;) このレストランは、ピザやパスタなどを扱っているイタリアンレストラン。皆さん何度もいらっしゃっているらしく、コレがアレが美味しいだのと批評も盛ん。 ここで食事のオーダータイム。この時だけは、とっても静かだった。あんまり静かだと変に緊張するじゃないの。。。
余談だけど、Miss Sanfilippoは書類を見るときにメガネをかける。Kinderのクラスではまっピンクの太い縁取りのメガネをかける。とっても似合う。私がかけたら間違いなく宴会の出し物みたいになるだろう(もしくは「Romanticが止まらない」のCCBとか?>ふっ古い)。今日の彼女がメニューを読むために取り出したメガネは、レインボーカラーだった。想像してください。きっと想像通りのモノです。でも、彼女の顔にはしっくりくるから不思議。 私は無難にボンゴレを注文。 「ソースは何にする?」「白」 「サラダもいる?」「ええ」 「ドレッシングは?」「フレンチで」 「ああ〜ソレないんだよ〜」>頼むから、話を延ばさないでくれ・・・。「どんなドレッシングがある?」 「★とか●とかイタリアンとかマスタード■とか・・・つらつらつら・・・」「(なんだか分からなかったなぁ)イ、イタリアンで・・・」 すかさず「それ良いチョイスよ!」とMiss Sanfilippo。妙に安心する私。 クラスマザー、皆の話題をかっさらって話している間も、急に横の私にクリッと顔を向けて 「あなたさっきのサラダ、本当はスモールディッシュにしたかったんじゃないの?変えてもらったら?」 「ちょっとブラックペッパーかけるかって聞いているわよ」と私の事にも気にかけて(?)くれる・・・・ まるで聖徳太子のようだ。ありがとう、でも急すぎてびっくりする。 しかし、この3重ほどにカブリまくりの会話(いやこれはトークだ)の中、私は場所(ええ、Miss Sanfilippoの真正面)柄非常に熱心に何とか聞き逃すまいと必死だった。>ウェイターの黒胡椒にまで気がまわらん しかも、一度気を許すと「まぁ何とも、眉や目・口・手の動きが、見とれるほど大きいな〜」と、違う所に気が行ってしまう。はっいかんいかん。 後半はややこしい話し抜きで、育児談義だった。 弾丸トークの元を作っていたのは、先のクラスマザー。この方の子供はツインの男の子。ツインの育児がいかに大変かつらつら〜。 「寝る前に子供達に絵本を読むのだけれど、二人が違う本を持ってくるから大変なのよ。」と嘆く。 「あら、うちも同じよ」と言った私の声は、更なる大波トークに飲まれ泡と消えた。どうも押しが弱いのか、腹筋が足りないのか?気を取り直してリスニングに集中。 RoyceのMomが「RoyceとはもうKissしないの。」と言えば、一斉に「なんで〜まだ5歳じゃないの!!」とブーイング。「だって私はやりたいのに、Royceがさせてくれないのよぉぉぉぉ。」「あっら〜。」一斉にトーンダウン。ちなみに私は、旦にもうとっくにKissは出来ない。 その時チャイニーズMomの一人が、自分の子供がお店で売っている服の間に隠れて大騒ぎだったという話を身振り手振り付きでした。ちょっと話しのテンポが悪かった。場が一瞬シラケル。その静けさに他意はないだろうけれど、結構ドキッとした。 唯一私に振られた話と言えば・・・「大人になってから語学の勉強は難しいわよね?Mrs.Yagawa」とMiss
Sanfilippoが私に同意を求めた時だった。さぶ。 クラスマザーはスペイン語が母語だけれど、7歳の時に英語の発音が良いと先生が特別にレッスンをしてくれたから、今英語が話せるらしい。その話を受けたMiss Sanfilippoが「私はかつてイタリア語が出来たけれど、今ではすっかり忘れちゃったわ。音だけは残っているから、もう一度勉強し直したいのだけど・・・・」この続きが上の私へのフリ。 実は私、非常に日本的な考えかもしれないけれど『先生を囲んで日頃の感謝を現す会』だったので、きっと、一人一人先生にお礼の言葉を述べるに違いないと思っていたのだ。 だから、こっそりと5分程度の話を考えていたし、直前までああでもないこうでもないと煮詰めていた(間抜けすぎる(^^;)) 当たり前の事ながら、そんなものは無かった。 日頃の感謝は、浴びせるほどの弾丸トークで表現するのだ。きっとそうに違いない。 会の最後に、MomたちからMiss Sanfilippoにプレゼントを渡した。RoyceのMomが選んだのだけど、エステの招待状だった。「何年ぶりのエステかしら!」と喜んでくださった。でも彼女の肌は、真近でみてもツルッツルのピッカピカ。爪だって毎日綺麗にマニキュアが塗ってある。まつげもクルリンっとゴージャスなカール。大きな瞳とアイコンタクトをすると、そのままバキュームで吸い込まれそうだ。とても同じ人間とは思えない。おそらく彼女も同じように思っているだろうけれど(^^;)話がそれました。。。 そして飛びっきりの笑顔をたたえながら「Thank you for coming!」と言う、Miss Sanfilippoの言葉でお開きになった。何故かその目は、思いっきり目の前の私の目を見続けていた。 きっと、あなたは来てくれただけで充分よ・・・イヤ、「よくぞ勇気を出してきてくれたわね」と言いたかったのだろう。 両隣とMiss Sanfilippoとしか会話していないけれど、出席したことで、とりあえず私の気持ちは伝わったようだった。 集中2時間リスニングは、始め緊張したものの疲れはなかった。溶け込んで楽しかった、というわけでもないけれど。 色々な意味で、出席して良かったと思った。 いつもおしゃべりするMom達は、誰もいなかったから、ある意味単身で乗り込んだ感じだった(私にとってはちっとも大袈裟じゃない)。 話を振ってもらうのを待っていては駄目なんだ。そんなことを期待していては、話に入っていけない。身にしみて感じた。 結構話せるようになってきたと思っていたけれど、これは個人同士だったり、少人数だったり、複数いてもお互いのことを良く分かっている人達とだったり、共通の話題がある人達との会話だったからなんだ。後は、こっちの話を待ってくれる人とか。 こういう場面(ネイティブの白人に囲まれ、しかもそれほど気心も知れていない)でスラスラなんて、やっぱり話せないんだなぁ。急に白人とアジア人だ・・・とか意識してしまっていたのもある。話に全く途切れがなくて、タイミングすら掴めなかった。 それに、話にカブってまで口を挟むのも出来なかった。カブっといて、あの弾丸トークの半分くらいのスピードで話し始めたら、皆がずっこけるだろう。そう思うと流れを止めてまで口出す勇気も出なかった。 言っていることは分かるのに、上手に相槌が打てないのもダメな証拠だ。 マダマダ全然だ、私の英語は。。。 そう思うと、普段なら口を付いて出てくることも、一気に自信なくて反応が鈍くなる。 今までちょっとづつ築いてきた自信をこっぱみじんに砕かれたDinnerだったけれど、現状打破のイイ刺激になった夜でもあった。 旦をあらためてスゴイと思った。あんなに辛い時期があったけれど、今はおそらく家族の中で一番スラスラ物怖じせずに英語を話せるのは彼だ。日本語ではとってもドモるのに、英語では全くドモらない。不思議。 迎えに行くと子供達は、興奮の中全身チョークまみれで遊んでいた。もう9時になろうかというのに、帰りたがらない。 Williamが「じゃぁ今日はSleep over(お泊り)する?」と持ちかける。 旦「うんっ!楽しそう〜!」 William「それでさ、次の日も次の日も次の日も、ずっとずっとず〜っとSleep overしようよ!」 旦しばらく考えて「ず〜っとはヤダ。もう時間だから帰るよ。ありがと、バイバイ!」と答える(旦らしい反応・・・)。 チョークまみれの姿を見て、こりゃぁ、また風呂に入れなければ・・・と思ったけれど、家に着いた途端にエネルギーが切れたようで、風呂どころではなかった。体を拭いて、そのままベッドに直行。一瞬で寝てしまった。 ■■■Digression■■■ 何を思ったのか、MattのMomが「そろそろKinderじゃなくて、上の学年を教えたらどう?」とMiss Sanfilippoに言った。それを聞いた彼女は「ケッ」と吐き捨てるように「ごめんだわ。私はもう勤続38年よ。この学区で3番目に長いの。確か○○がこの間やめたからそうよ。あれ?▲▲がまだいるから3番目じゃないかしら?とにかく変わる気ないわよ。」と一気に言った。 日本の小学校と違って、こちらでは先生が担当する学年は固定。Miss SanfilippoはKinderの先生という仕事に誇りを持っているに違いない。当たり前だ。 私は昨年、彼女の厳しい面ばかり書いてしまい、多少誤解を与えてしまっているかもしれない。彼女の子供の導き方は、平等で対等。 彼女はクラスの最後に時折自分の好きな曲を流して、子供達と共にアカペラで歌う。いつもクラスには歌があふれている。あるときクラスに入って来たPrincipal(いつもフラッと現れて、机の上に腰掛けるの)が、歌の終わりに「素敵な歌ね」と言った。Miss Sanfilippoは堰を切ったように「これは母が教えてくれた歌なの。何度も何度もレコードを聴いたわ。だからこそ、子供達に絶対に聴かせたかったの!」と両手を胸の前で組む。興奮気味に話す少女のような彼女を見て、とても暖かい気持ちになった。彼女はKinderの先生がピッタリだと思った。 出張から帰ってきたお父さんにこの話をすると、「勤続38年は間違いだろ。」とにべもない。確かに計算すると、彼女の歳が分からなくなる。 ところがKinder最後のSharingがあった今日、私のヒヤリングミスではないことが判明した。テーマの中に「Grandfather」があったので、旦はおじいちゃんが還暦のお祝いの時に、赤い帽子やベストを着て孫達に囲まれている写真を持って行った。還暦の説明をする旦の話を聞いたMiss
Sanfilippoは「あらっ!私も日本にいたら還暦だったのね!私60歳だもの。」と大声で言ったのだ。しかし、綺麗すぎる。若すぎる。 ついでに、一緒に写っていた母を見て「これはあなたのお母さんね?そっくりだもの。」と後ろでボランティアをしていた私に笑いかけた。 ■■■Murmur■■■ Moms’ night outの翌日は、Volunteer Appreciation Tea Partyに招待されていた。昨晩の濃いDinnerですっかり消耗していた(疲れていないつもりだったけれど、何故か全身筋肉痛だった(^^;))私は腰が重く、5分遅れで指定の場所に到着。 すると学校中の生徒達が列を成してクラスに戻るところだった。旦を見つけたので声をかけると「もう歌は終わったよ。」とすげない。あれれ?何で歌?どうやら学校全体で、ボランティアをした人たち向けて歌のプレゼントをした模様。聞き逃したのは申し訳なかった。 それでTea Partyはいずこで?とグルグルして気付く・・・父兄たちがもつ紙コップのコーヒーに。これがTea Partyだったわけか。 どうも色々行事が、自分のイメージとかみ合わずズッコケル事が多い。 異国の生活、深く入り込むのは、子供も大変・・・だけど親もやっぱり大変! |